#212 💁‍♂️失敗のマネジメント😔

“失敗の科学”
以前私がおすすめのビジネス本として紹介しました。
今週はその本の内容を皆さまに共有します。

さて、失敗について
皆さまはどのような意見をお持ちですか?
◉失敗は成功のもと
◉失敗なんてしたくない
このように、プラスの意見も、マイナスの意見もあるかと思います。

そんな私も、プラスとはいえできればしたくないと思っていました。
しかし、この本を読んで失敗の本当の意味と、向き合い方が180度変わりました。
失敗とどう向き合うのかこそ、事業や人生の豊かさに繋がります。

さて、普段仕事で失敗はよくある事かもしれませんが、絶対に失敗が許されない業界があります。
この本では失敗が人命に関わる医療業界と航空業界を例に挙げています。

🧑‍⚕️医療業界
アメリカでは年間40万人以上もの人が回避可能な医療過誤で死亡しているという研究結果が2013年に出ています。

✈️航空業界
2014年のジェット旅行機事故率は、100万フライトに0.23回という極めて少ない研究結果が出ています。

少しデータは古いものの、ここまで差が出る理由はなんでしょう?医療の方が複雑なのも、人材不足なのも事実ですが、それ以前に根本的な問題がそこにはあります。

この2つの業界の大きな違いは、失敗に対するアプローチです。

人は何かミスを犯して自尊心や職業意識が脅かされると、つい頑なになります。
そして、他人からも、自分自身からも、自分を守るために失敗を隠そうとします。
学習に欠かせない貴重な情報源を、活用することもないままに葬り去ってしまいます。

医療業界はこれがとても強いのです。医療ミスについてもブラックボックスであり、細かく調査されることを極端に嫌います。
特に、権威のある先生や教授であればあるほどにそうなるそうです。
現場の医師や看護師も、正しいと思ったことでも、上司に意見することが出来ず、完全なる縦社会と上下関係がそこにはあります。
それは数字にも出ていて、アメリカ国内の200以上の病院を対象に調査したところ、診断や処置のミスによって起こる損傷を報告していた病院は全体の1%だったそうです。これは大半の病院が組織的な言い逃れを行なっていることになります。

しかし、航空業界は違います。
別のブラックボックスがあるからです。
これはほぼ破砕不可能であり、航空機すべてに2つ装備されています。
飛行データを記録し、コックピット内の音声を録音するものです。
事故があればこのブラックボックスが回収され、データ分析によって原因が究明されます。
そして、2度と同じ失敗が起こらないように速やかに対策がとられます。
つまり、隠すことは不可能で、有無を言わさず失敗の全容が明らかにされるわけです。

航空業界は、過去の失敗から学ぶ努力を絶やしませんが、医療業界は失敗を隠します。
これは『クローズド・ループ現象』とも呼ばれます。
意味は、失敗や欠陥に関わる情報が放置されたり曲解されたりして、進歩につながらない現象や状態を指す。です。

失敗は成功のもと、と呼ばれるのは失敗はデータの宝庫であるからです。しかし、全てを自分で経験するには、あまりに人生は短すぎます。
つまり、
“人の失敗から学びましょう”
ということです。

失敗から学ぶには2つの要素が必要不可欠です。

①システム
学習チャンスを最大限に活かすシステム作りが大切です。
ヒューマンエラーを起こさない為にも、システムエラーは必ず防ぐ必要があります。
ちなみに、航空業界では小さなミスでも報告書を提出し、10日以内に提出すれば処罰されない決まりになっています。
また、設定した高度などを逸脱すると自動的にエラーレポートが送信されますが、データからは操縦士が特定されないシステムになっています。
また、過去のフライトや報告書に簡単にアクセスして、過去の事例を見ることが出来るそうです。
医療業界は特にミスなどに関しては、そういったデータを残さないことも多々あるそうです。

②スタッフ(人)
どんなに素晴らしいシステムを導入しても、スタッフからの情報提供がなければ何も始まりません。
実際にアメリカのある病院では看護師が医師に忠告をしたり、報告者に対し運営陣からのバックアップを保証するなどし、18ヶ月で1,500人の命が救われ、医療訴訟や賠償金などの医療経費が約100億も削減されました。
厳しい上下関係は、失敗を隠す温床になりかねませんので、素晴らしい制度です。

さて、少し長くなりましたが私たち個人事業主はどうでしょうか?
事業をしていく上での失敗(売上げ減少、顧客クレームなど)に対して、どのような考え方と、対処する仕組みを自分の中、組織的、に持っているでしょうか。

誰もが本能的に遠ざける失敗。
だからこそ、失敗から積極的に学ぶごくわずかな人と組織だけが、究極のパフォーマンスを発揮できます。

明日もまた様々な事例をもとに話していきます。

#213 🔥全集中が事故を招く🔥

今日はもうひとつ失敗に対する適切なアプローチ方法をお伝えします。
それは、『完璧な集中』をし過ぎるな!です。

ユナイテッド航空173便の話を少し。
この日の天気は快晴、飛行条件はほぼ完璧。しかもパイロットは25年以上の大ベテラン。
副操縦士も勤続13年で5000時間以上の飛行経験を積んでおり、もう1人も勤続11年で飛行経験は3900時間。
ベテラン揃いなわけです。

何も問題なくフライトが進み、いよいよ着陸しよう車輪をおろすレバーを引いた時にドンッ!といういつもと違う音が鳴りました。
そこで機長は着陸用の車輪が出ていないと判断します。
そのまま胴体着陸をすると大きな事故になりかねません。
これはまずいと原因がわかるまで着陸はやめて、フライトをしながら原因を追求しようと機長が集中モードに入ります。
パイロット歴25年の経験と知識とプライドをフルに使い、車輪がきちんと出ていることを確認しようとします。

この時、機長の頭には
『確実に車輪が出ているかを確認する‼️』
しか頭にありませんでした。
そして、着陸せずにフライトしながら確認作業を行なっていましたが、ここでとても大きな問題が発生します。
それは『燃料切れ』です。

そして、この航空機はそのまま燃料切れで墜落してしまいます。
乗員乗客合わせて10人が亡くなりました。

この話の興味深いところは、
昨日話したブラックボックスを事故の後に回収し、機内の音声データを解析したところです。
コックピットにいる機長以外の全員が燃料が無くなることを機長に警告していました。
しかし、機長は車輪に集中し過ぎており、聞く耳を持ちません。
まだまだ燃料は余裕があると思っていたそうです。

その後、生き残った機長が調査を受けた際に、なぜ燃料切れに気付か無かったのかと聞かれると
『ものすごいスピードで急に燃料が減っていったんだ』
と答えたそうです。
もちろんそんな事はありません。

機長は時間の感覚さえも、完全に失っていました。
決して職務に集中していなかったからではありません。
むしろ、集中し過ぎていました。

後からわかったことですが、実は車輪は正しく下りていました。
そうでなくても、ベテランのパイロットなら1人の死者も出さずに胴体着陸も可能でした。
そんなとても悲しい事故です。

そんなまさか、、、、
と思いますよね。
ベテランのパイロットが燃料切れに気付かないなんてあると思いますか?
車を乗る人ならわかると思います。
ガソリンが少なくなって、ランプが点けば早めにガソリンスタンドに行きますよね。
気付かず道路で車が止まってしまった、なんて中々無いことです。

しかし、人はひとつの物事に集中し過ぎると時間の感覚を失い、冷静に対処することが出来なくなります。
25年のベテランパイロットがこうなるわけですから、、、

顧客が増えないから、マーケティングにこだわり過ぎる
顧客第一主義にこだわり過ぎて、クレームを気にし過ぎる
売り上げ、経費、お金のことを考え過ぎる
つまりは、何かしらのミスや失敗、それだけに集中し過ぎると、より事態を悪化させる可能性があるということです。
事情だけならまだしも、ストレスで体調さえも悪化させてしまいます。

この話から学べる事は、
失敗してしまった、落ち込んでいる、どうしよう、焦っている、
そんな切羽詰まっている時ほど、一度集中力を解いてみるということです。
物事を俯瞰的に見て、集中し過ぎず、別のBプランに切り替えればその問題が簡単に解決するなんて事はたくさんあります。

ただ、言ってもそんな事は簡単にはできません。なぜなら昨日も話した通り、個人事業主は経営者であり、リーダーであるからです。
経験から自分のプライドや自尊心がそれを邪魔します。
今回の機長のように。。。

そこで大切になるのが、人に頼るという事です。
失敗が起きた時、切羽詰まった時、隣にいる人や近しい人に頼ってください。相談してください。
自分ほど責任が無い人がおすすめです。
そんな人は、自分ほど緊急事態に全集中モードにはなれません。
なので、落ち着いて物事を俯瞰的に見て、意見してくれます。

ちなみに、私は経営者になって7年目です。
数々の失敗をしてきました。
しかし意地やプライドからそれを認めず、より状況を悪化させる事が多々ありました。
経営、人間関係、健康、全てにおいてです。
しかし、今は窓口の竹がいます。
彼女はあくまで福リーダーですから、大きな責任はありません。
会社の責任事項は全て社長の私にあります。
なので、私は何かトラブルがあった時、カッと頭に血が登った時、彼女にすぐに連絡をします。
そして、自分が今していること、これからしようとしていることが本当に正しいのかを判断してもらいます。
時には、文章を彼女に送り、添削してもらうこともあります。

しかし、それができるようになって、心がスッと軽くなりました。
そして、失敗が起きても焦らず、集中し過ぎず、落ち着いて対処できるようになりました。
結果、売上げも伸び、人間関係も良好になりました。

個人事業主ほど、失敗が起きた時にその物事を解決しようと集中し過ぎてしまいます。
会社員のように周りに相談できる人や組織もあまり多くはありません。
しかし、それではより悪い状況をもたらすことにも繋がりかねません。

そんな時こそ、一旦距離を置く、他人を頼る、という手法をとってみてください。
失敗が怖くなくなります。

ぜひ、どんなことでも構いませんので、そんな時は株式会社個人事業主総合研究所にご相談ください。
具体的に解決策を提示する事はできないかもしれませんが、聞く事はできます。

#214 ⚽️考えるな、間違えろ🏀

さて、今日は具体的な皆さまの仕事にまで落とし込んで話してみます。ベッカムやマイケルジョーダンも出てきます。

もしあなたが事業計画を立てるなら、新規事業、既存事業、何でも良いです。
大切なのは何だと思いますか?

それは、上手くいかなかった時のことを想定することです。

いや、もはやこの計画は失敗した!からスタートしてみてください。失敗ありきで設計してみてください。
実際に挑戦する前に、その挑戦が失敗した!と仮定することで、事前に原因を考えることができます。

これにはリスクがありません。
実際にスタートして、失敗すると時間やお金を失います。
テストマーケティングでも少なからず時間とお金を失います。
ただ、この失敗ありきの計画はリスクが全くありません。
失敗した理由をとことん考え尽くすことで、その反面成功への道筋が見えるわけです。
この失敗撲滅法は、アメリカの売上げ1000億円規模の会社でも行われている手法です。
あなたが今使っている資料、SNS、営業トーク、商品やサービスに関わる全てを見直すことができるのでオススメです。

少し話は変わりますが、皆さまはサッカーイングランド代表のデビッド・ベッカム選手を知っていますか?
彼は世界最高峰のサッカー選手として、生きる伝説になっています。
彼は6歳の頃いつも自宅でリフティングの練習をしていたそうです。
初めは5回、6回しかできないほど平凡な少年でした。
しかし、毎日毎日練習をしたそうです。
半年後には50回、その半年後には200回、そして9歳になる頃には2003回という新記録を達成しました。
そして、ベッカムの代名詞であるフリーキックを父親と公園で練習し始めました。毎日です。
2、3年で通る人たちが立ち止まる程にまで成長しました。

ここで、母親は言います。
『彼の努力を知らない人にとっては、この2003回という記録は奇跡に思えるかもしれませんが、3年間毎日彼の数えきれないほどの失敗を見てきた私からすれば、奇跡でも何でもない。』

父親は
『あの公園で練習したフリーキックは5万回を超えていたと思います。息子のハングリー精神には本当に驚かされました。』

ベッカム自身も、今数々の素晴らしい成功したシュートよりも、その何百倍も数えきれないほどの失敗したシュートが思い浮かぶそうです。

他には、バスケットボールの神様と呼ばれるマイケル・ジョーダンのナイキの有名なCMがあります。
『私は9千回以上、シュートを外した。約300の試合で敗れ、ウイニングショットを任されて26回外した。私は何度も何度も失敗した。だから、成功した』

なぜわざわざ失敗したことを話したのでしょう?
それは、精神的な力は肉体的な力を超えることを伝えたかったからです。

個人事業主に関わらず、人間誰しも失敗は、できればしたくないです。怒られたり、叩かれたり、落ち込んだり、涙したり、すると思われがちだからです。
特に日本はそういう文化です。
失敗は不名誉と言われます。
非難され、叩かれたりします。

しかし、失敗の先にしか進歩はありません。
それは人類があらゆるサービスや発明で証明してきました。

だから、この偉大な2人のように、こう考えてみてください。

【失敗は「してもいい」ではなく「欠かせない」】

成功を収めた人々の、失敗に対する前向きな考え方は本当に素晴らしいです。
誰しも成功に向けて努力をしますが、そのプロセスに失敗が欠かせないと強く認識しているのは、こうした成功者であることが多いです。

偉大なスポーツ選手や、人類などと、とても大きく壮大なお話を例にしましたが、私たち一人一人にも当てはまることです。

どうか、失敗をネガティブなものと考えず、ポジティブなものと考える練習を今日からしてみてください⚽️🏀

#215 🍽️極上の失敗😋

失敗が大切なのはわかりました。
では、その失敗から学べる人と、学べない人との差は何なのでしょうか?
失敗から成長できる人と、できない人の差は何なのでしょうか?

学べる人、成長出来る人は失敗が欠かせないものであると考えています。
何か失敗が起きても自分を責めたり落ち込んだりせず、どう改善するべきか、どう自分のモチベーションを維持するかを考えます。
努力で成長できると信じ、失敗をチャンスと捉えます。

これを成長型マインドセットと呼びます。

一方、人は才能が決まっている、自分は元々頭が悪い、これは苦手なものだし合わない、など失敗の理由を知性のせいにする人は成長が遅いです。
これを、固定型マインドセットと呼びます。

ぜひ、その日した失敗を寝る前に考えてみてください。
コツは、ポジティブにです。
今日した失敗を次にしないぞ!
これだけでOKです。
これだけで、失敗をプラスのエネルギーに変えることができ、負け癖ではなく、勝ち癖が付きます。
失敗を恐れないより優秀な人材になるそうです。
これは科学的にも証明されていますので、ぜひ子供や、スタッフさんにも試してみてください。

知性も才能も努力によって伸びます。先天的なものがどうであれ、根気強く努力を続ければ、自分自信をさらに高めて成長できると信じてみてください。
これが”成長型個人事業主”です。

最後に、小さな改善の積み重ねが大きな成果につながる「マージナルゲイン」の考え方についてお伝えして終わります。
これは、1%しか効果が見込めないような小さな施策を積み重ねることで、大きな成果を得ようとする考え方です。
誠実に自分の失敗を認める姿勢と、その失敗から学ぼうとする意志があれば、マージナル・ゲインはどんな組織にも、ほぼどんな問題にも、応用できるアプローチです。

“大切なのは質より量です”

一発逆転より、百発逆転です。
大きな目立つ要素よりも、何百、何千という小さな要素を極限まで最適化することが大切です。
初めから完璧を目指さずに量をこなすことで、結果的に質も向上するのです。
成功は、どれだけ効率のいい最適化ループをつくれるかにかかっています。

この考えは決して大企業や政府、プロスポーツチームにしか導入できないアプローチではありません。
色々と端折りますが、このマージナルゲインを使って、毎年アメリカで行われる国際ホットドック早食い選手権で小柄な日本人が優勝をしています。
半分に割ってから、ソーセージを先に食べきる、パンを水につける、あらゆる自分のトレーニングの様子を録画し、データを撮り、少しずつ違う方法を試しました。
小さな仮説をひとつずつ丁寧に検証したそうです。
大会当日、当時の世界記録は12分で25.125本。

結果、この小柄な小林という日本人は50本を食べて優勝しました。
彼は言いました。
『みんな食欲さえあればいい結果が出せると思っています。でも本当に大事なのは、目の前の食べ物にいかに取り組むかなんです』

ホットドックの早食いに使えるのであれば、この手法は何にでも使えますよね🌭

4日間どうでしたでしょうか?
文字数の兼ね合いで一部抜粋しただけですが、この本にはもっともっとたくさんのことと、そしてそれを証明する実験やデータがたくさん載っています。

結局のところ、大切なのは
誠実に自分の失敗を認める姿勢と、その失敗から学ぼうとする意志です。それをコツコツ続ける継続力です。
上手くいくことより、上手くいかないことに焦点を当て、原因を追求してみてください。
そうすればうまくいきます。

やはりその為には
失敗は欠かせないものです。

“失敗はしたくない”
ではなく
“失敗はしてもいい”
ではなく
“失敗は欠かせない”

そう本気で思えたなら、失敗が来たら喜ぶくらいになれれば、それは事業主として最高かもしれませんね。
もちろん、4日間話してきた失敗とは、全力や努力の上での失敗です。

本気で挑戦したものにしか味わえない、極上の失敗をぜひこれからも味わってみてください!

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