今週は窓口からコラムをお届けします。
さて、くどいようですが
今回のテーマは
『インボイス制度』
サロンメンバーさんからもよく質問をいただきますが、さらに個人事業主にとって、ここ数年の一大法改正でもあるので、
個人事業主のためのサービスを提供している会社としては、無視できません。
皆さんが知らずに損することのないよう、何度も何度もお伝えしますので、ご了承ください。
今一度、個人事業主として、一般消費者として、危機感を持って読んでみてください。
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インボイス制度
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いよいよ来月から始まるインボイス制度が「やばい」といわれる理由は、一言でまとめるなら
《全事業者の約4割を占める免税事業者の収入が減る可能性があるから》です。
免税事業者の中でも特に影響が大きいのは、企業と取引をしている個人事業主やフリーランスです。
業界や人によっては、事業自体が立ち行かなくなるおそれもあり、現に声優や漫画家、アニメーター、農家、大工、タクシードライバー、建設業などの『一人親方』と呼ばれる幅広い業種の人々から「廃業するかもしれない」という声が上がっています。
なぜなら
個人事業主やフリーランスは
《1ヶ月分の生活費が消える》
恐れがあるからです。
消費税を負担しきれない
個人事業者が多く出ることが予想されます。
実は、デザイナー・ライター・俳優などのフリーランスの40%は年収400万円以下といわれています。
たとえば
◉年収が 480万円
◉経費が 120万円
このような事業者の場合、
→国保/年金40万円
→所得税/住民税/事業税36万円
おおよそこれだけの税金がかかります。(扶養家族なし・青色特別控除最大の場合)
残る生活費は284万円となり、
1ヶ月あたり24万円弱です。
これが課税事業者となると、さらに消費税の納税22万円が発生するため、1ヶ月分の生活費がほぼ消えることになります。
個人タクシー運転手の99%は免税事業者で、平均年収は660万円程と言われていますが、年間30万円の負担増が予想され、やはり生活費1ヶ月分が消えます。
では、免税事業者全員に影響があるのか?というと、実はそうではありません。
読んでいるあなたも当てはまる可能性が高い問題点があります。
実は、お客様の大半が一般の消費者で領収書の発行を求めないような場合は、適格請求書発行事業者にならなくても、影響は少ないかもしれません。
しかし、接待などで利用する法人のお客様が多い場合や、領収書を求める人が多い場合は、インボイスを交付できないと、他の店や事業者へ流れてしまう可能性もあります。
たとえば、個人経営の居酒屋で合計11,000円分(消費税額1,000円)の飲食を行い、その金額を経費として計上したいA社があるとします。
居酒屋が適格請求書発行事業者でインボイスを交付していれば、A社は1,000円の仕入税額控除を受けることができます。
しかし居酒屋が適格請求書発行事業者ではない場合、A社は1,000円の消費税を負担しなくてはなりません。
居酒屋が交付する領収書がインボイスであるか否かで、法人や個人としての消費税負担が変わるとなると「今後はインボイスを交付できるところにしよう」と、せっかくのお客様が離れていってしまう可能性もあります。
現在、免税事業者として消費税の納付を免除されている飲食店は、今後適格請求書発行事業者への変更も視野に入れ、対応を慎重に検討する必要があります。
また、チラッと話しましたが、領収書にもこのインボイス制度は関係します。
「適格請求書」と言われると請求書だけのように見えますが、
インボイス制度が要求する記載事項がぜんぶ書かれた書類なら法律上全て適格請求書となります。
したがって、領収書も仕入明細書も納品書も当てはまります。
つまり、お客様が法人や個人で領収書を経費としたい場合、手書き含めて今までの領収書だけではダメになると言うことです。
きちんと決められた内容を全て記載する必要がありますので、
課税事業者の皆さんも来月のスタートを切れるように、しっかり準備をしておきましょう!