#41 「真のポスティング」しませんか?
こんにちはマキノです。
いよいよ5月。
新緑の季節到来ですね。
今回は外に出るのが気持ちよい季節になったので「真(しん)のポスティングをしませんか?」というご提案です。
最後に初の動画もご用意いたしましたので、そちらもご覧くださいね!
【目 次】
1. リアルな問題と影響
2. 古典的な集客方法
★1.リアルな問題と影響
あなたは地域密着・店舗型のご商売をされていると思います。(コンサルやノマド的なご商売の方はゴメンなさい)
さて、大型ショッピングセンターなどの影響はいかがでしょうか?
また、全国チェーン激安店などの影響はどのような形で現れているでしょうか?
他には、ネットを上手に使って繁盛している同業者の影響はいかがでしょうか?
「とっても深刻…」
ではないかとお察しいたします。
なぜなら私の地元でも…
・シャッターが下りたままの店
・老舗店の相つぐ閉店
・次々に店が入れかわるテナント
・目立つ「貸店舗」の張り紙
・経営者の高年齢化
このような状態が日常的に見られるからです。
余計なお世話かもですが
「個人事業主さんの家庭生活にも相当影響が出ているのでは…」
と、心配になってしまいます。
そのお悩みの中でもナンバー1はやはり≪集客≫の問題です。
この≪集客≫の問題こそ、今現在全国の小さな地域密着店がかかえる深刻な問題なのです。
この問題を解決しない限り…
資金力で広告をどんどん出せる大型店や、大型ショッピングセンターには太刀打ちできません。
彼等は
・テレビコマーシャル
・折り込み広告
・インターネット広告(PPC広告等)
・ネットクーポンサイト
・フリーペーパー
・地方新聞広告
・ラジオコマーシャル
・ダイレクトメール
・バナー広告
・看板広告
・Facebook広告
・メルマガ広告
このように
お金がかかる広告で、一気に顧客獲得を仕掛けられる資金力を最初から持っています。
果して
こんな圧倒的な力の差に、地域密着型の小さな個人事業主は太刀打ちできるのでしょうか?
★2.古典的な集客方法
ハイ、できます。
この問題の解決策は…
古典的な集客方法と言われているポスティングです。
「ポスティングなんて効果ないよ」
「やったことあるけど散々だった」
と思われるかもしれませんが、目的を考え直すと、意外な効果が得られるのです。
ポイントは、ポスティングへの考え方とチラシの作り方です。
また、ポスティングとは
・最もお金をかけず
・必要なときに自作でき
・簡単に誰でもできて
・費用対効果が最も高い
王道のマーケティングです。
ここで
・最もお金をかけず
・必要なときに自作でき
・簡単に誰でもできて
ということはご理解いただけると思いますが
・費用対効果が最も高い
というところで引っかかるのではないでしょうか?
その通りです。
実は
・ポスティングの意味
・目的を明確にしたチラシの作り方
この両方を抑えていないと高い効果は期待できません。
いや、期待できないどころか紙代と時間がムダになるだけです。
ですからまずはヒントとなる動画を、ぜひ、ご覧ください。
あなたが自分でポスティングして、費用対効果を最も高くする提案していきます。
お楽しみに (^_-)-☆
1.マインドセット編
http://youtu.be/VT0vYLgl5AU
#42 ヘタレ理論
こんにちはマキノです。
先日、電車内でラブラブそうなカップルが横に座ってきました。
男が女にこんな質問をしていました。
「ねえ、どこに行きたい?」
「何か食いたいものある?」
この質問、果たして相手の女性を思いやるモノなのでしょうか?
【目 次】
1.ヘタレの理論
2.ビジネスでヘタレ男になってないか
3.リスクをとるのはどちら?
★1.ヘタレの理論
女性に「何をしたい?」「どこにいきたい?」「何を食べたい?」と聞く男って
「彼女の好みを叶えてあげたい…」
という感覚だと思うのです。
でも、これらの質問ってよく考えると
「好きな女のために『決める』というリスクもとれない奴」
というへタレ男がする質問です。
女性にこんな質問をするのは、実は「優しさ」ではありません。
多くの男性は気づいていませんが、こんな質問って実は女性側にリスクを負わせる行為になるのです。
言い換えると、自分(男側)にリスクがないようにしているだけなんです。
例え話で説明しますね。
彼が彼女にこう質問しました。
「ラーメンと回転すしどっちが食べたい?」
すると彼女は
「ラーメン」
と答えました。
そして最近できたラーメン屋に車を走らせたのですが、そのラーメン屋が冗談のようにマズかったとします。
すると、暗黙のうちにラーメンを選択した彼女の責任になってしまいます。
そして、彼女は彼に謝ります。
彼は「別に君のせいじゃないから」と彼女を慰め、いい人になろうとします。
いいですか?
男性の女性へのこうした質問は決して優しさではありません。
リスクをとらないという「ヘタレ」な行為です。
★2.ビジネスでヘタレ男になってないか
これはビジネスに置き換えられる重要なことです。
お客の意見や好みだけを聞いて商品・サービスを売る人がいます。
客に「好み・用途」などを質問しお客に選ばせて決めさせる。
これって
「お客さんの意見を尊重する」
という一見お客思いの行為の裏側で、実は、暗に「責任逃れ」をしているのです。
本来なら
「あなたはそれをお望みかもですが、私はプロとしてこれをお奨めします。なぜなら…」
と、きちんとした提案をするべきなのです。
しかし、お客さんの意思や気持を尊重するとか言いながら「お店からの提案」リスクをとりません。
もし、あなたからの提案が予想以上に良ければ、また来てくれ、あなたを信頼し、ファンになっていくでしょう。
ただし、提案したものがダメなら二度と来てくれないというリスクがあります。
多くの人は、後者のリスクの方を恐れ「提案する」という勇気から目を逸らし、お客の機嫌をとる行為に走ります。
果たしてそれでいいのでしょうか?
プロとしてそれでいいのでしょうか?
★3.リスクをとるのはどちら?
せっかくいい商品やサービスを持っているのに広告宣伝してないという人もいます。
これも「リスク」を恐れる行為です。
・男と女ならリスクをとるのは男の役目
・店と客ならリスクをとるのは店の義務
・プロとアマならリスクをとるのがプロ
これが鉄則です。
商売がうまくいかない多くの方は、この鉄則が守れていないか、この鉄則とは真逆をやっています。
前回お話ししたポスティングを例に説明しますね。
本来、ビジネスを行う者は、自分の足でポスティングしてでも広告を出し宣伝しなくてはならないのです。
しかし
「ポスティングなんて人の家に行って押売りしているみたいでイヤだ」
「ポスティングで宣伝するなんて逆に嫌われそう」
このように思われるかもしれません。
寝言ですね。
もし、あなたがビジネスをされていて、ご自分の店やサービスがあるのなら、宣伝しなくてはならないのです。
あなたの商品やサービスが、いかさま商品・インチキサービスでない限りは…
本当にお客様に有意義な商品ならばキチンと「セールス」をしてあげて問題を解決してあげなくてはなりません。
あなたがリスクを取るのです。
リスクを避けている商売人を客は理性ではなく本能で感じ取ります。
お客さんの立場になったらあなたもきっと感じると思います。
よく
「生理的になんか嫌い」
と言われてしまう人や商売人が世の中にはいますよね。
そう言われてしまう人たちは、自分にかかるリスクを都合よく避けている可能性が高いのです。
気をつけてください。
ヘタレが「当たり前」になっていると苦しい経営状態から抜け出せません。
もがいても、もがいても、、
どんどん深みにズリズリ落ちていくアリ地獄のような状態が続いていき、やがては力尽きてしまいます。
ヘタレにならないように気を付けましょう。
ねっ!(^_-)-☆
#43 個人事業主の生き残り方
こんにちはマキノです。
今回は、北朝鮮が貧しい理由と個人事業主の生き残りかた(資本主義)のお話です。
資本主義を知らないとお金は入ってきません。
反対に、資本主義の仕組みをちゃんと知っておけば、お金が無駄に出ていくことを防げます。
ただし、資本主義とか言うとむずかしく聞こえてしまうかもですね。
でも、わかりやすくシンプルにお伝えするのでご安心を。
【目 次】
1.資本主義における自由とは?
2.お金を増やすことができる人とは?
3.経営者の一番大切な仕事とは?
★1.資本主義における自由とは?
さて、資本主義の世の中は
『売り手が自由に値段を決められる』
という大原則があります。
ようは「欲しいならこの値段で買ってください、いらないなら買わなくてもいいです」と言えるのです。
客側は、商品と値段を見て、その金額でいい思ったら買えばいいですし
「高すぎだよ」
と感じたら他を探せばいいわけです。
このことは、売る側・買う側の両者に自由があるということです。
ここで商品と交換される
『お金』
は、世 (市場) に出される(ほとんど)どんなモノとも交換できます。
さらに『お金』は時間がたっても腐らず、価値が目減りすることもないです。(インフレなどがなければ)
だから商売の場においては
できるだけ多くのお金があるほうが有利
という原則が働きます。
そのため、資本主義社会に生きている私たちは、基本的に全ての人達がお金を多く得ることを目指すわけです。
ここまではよろしいですか?
じゃ次行きます。
★2.お金を増やすことができる人とは?
では、どういう人ならば資本主義の世の中でお金を増やすことができるのでしょう?
それは
「より少ないコストで、みんなが欲しがるものを作った人」
「より少ないコストで、みんなに必要とされるサービスを作った人」
です。
その逆に、みんなが欲しがらないものを作ったり、必要以上のコストをかけて作っていく行為は、(資本主義の)社会的にはムダな行為となって自然に消えていきます。
これが
『資本主義の基本的構造』
なのです。
ようは、売れる商品やサービスを提供し続けられる人が、その見返りとしてたくさんのお金を得ることができるわけです。
ということで
(※ここから重要↓)
その儲かったお金を有効に使い、さらに人々が欲しがる商品やサービスを開発し、生産性を高められる人には『もっとお金が入ってくる』という原則もあるわけです。
逆に、お客が欲しがらないモノを作っている人のお財布にはお金が入ってきません。
お金が入ってこないのでどんどん貧しくなります。
貧しいがためにコストを削りに削って作った次なる商品は、さらに魅力を無くしていき、ますます売れなくなってしまうのです。
その結果
・自然と商売をあきらめ
・安い賃金で雇われる側に戻る
という選択をする人が後を絶たないのです。
★3.経営者の一番大切な仕事
まだあります。
資本主義の優れた仕組みは『何がいくらで売っているかが公開されている』ということです。(基本的には)
また、北朝鮮のような計画経済では
「500円の商品は全員500円で買いなさい」
と決められています。
こんな北朝鮮に対し、資本主義の日本においては、一般的に500円で売られているものを「自分なら400円で売っても採算がとれる」と思ったら400円で売る自由があります。
ですから
ある商品を500円で売っていた人は、400円で同じ商品を売る人が出てくるとプレッシャーを感じ「自分も400円に値下げしなくては」となるわけですね。
価格が同じならば品質の競争が始まり、結果的に価格はどんどん下がり、品質は向上していく・・・
こんな変な現象が起きます。
お客側は、その商品を買いたい人はより安く質の高い商品を手に入れやすくなるのです。
この変なスパイラルがくり返されることで世の中が進歩するのです。
これが資本主義の原則。
さて、あなたはこの今回の文章の中で「んっ?」という箇所を発見できましたか?
ヒントは『500円の商品を400円で売る自由がある』という箇所です。
よーく考えてみてください。
これって逆もありなのです。
ようは
『500円の商品を2,000円で売る』
という自由もあるのです。
多くの人が
・値下げを『常識』
・値上げを『非常識』
として捉えてしまう処に盲点があるのです。
だからこそ、資本主義の自由を『常識』にとらわれず使ったらどうでしょう。
もう一つヒントです。
多くの個人事業主は『付加価値』という『値上げができる理由』を探したり創るのが苦手です。
ここまでお伝えしたらもうわかると思います。
ということで、あなたが『自分の商品の値上げ』をするための『付加価値』を考えつくと、お金は自然と流れ込んでくるわけです。
北朝鮮が貧しいのはこれらの自由がない。
そしてこれが、資本主義世界に生きる経営者の一番大切な仕事なのです。
では、(^_-)-☆
#44 たった10分!?ミラクルセールスのテクニック
こんにちはマキノです。
ちょっと面白いお話をご紹介します。
大手家電店に訪れた若い夫婦に対応した「ある販売員」のお話しです。
【目 次】
1.「一番安いのってどれ?」
2.10分間のミラクルセールス
3.ビッグセールスのポイント
★1.「一番安いのってどれ?」
販売をしていてこの言葉を言われると、現場の販売員さんは安いものを勧める傾向にありますよね。
しかし、お客さまに言われるまま売っていたら、それこそ商売は 「あがったり」になってしまいます。
どんな業種の店でも
「客寄せ商品」
ばかり売っていては利益につながらないですよね。
これからお話するのは、安い商品を売らないようにうまく対応していたある大手家電店の販売員のお話です。
ぶっちゃけて言いますが
「エディ●ン」
の社員のお話です。
さて、若い夫婦が洗濯機を買いに「エディ●ン」に来ました。
以下は夫婦の会話です。
夫「とりあえずここを見てからその後ヤ〇ダ電機に行って比べてから買おう」
妻「そうね1円でも安い方がいいからね」
夫「全自動で4万円以下だぞ!」
妻「わかってるわよ、洗濯機1つに7万円も8万円もかけたくないし、かけられないわ!」
実に手堅い夫婦ですね。
事前に折込みチラシを熟読し、作戦をたてて来店した感じがプンプンします。
さてそこに、気が弱そうな小柄の店員が、なに知らぬ顔で近づいてきたのです。
結果を先に言います。
なんとこの店員さん、最終的に9万円台の高級洗濯機をこの夫婦に売ったのです。
「1円でも安い方がいい」
と言い切る夫婦に、どうやって高い商品を売ることができたか?
★2.10分間のミラクルセールス
それは実に簡単なセールス方法だったそうです。
売るまでにかかった時間はわずか10分だったというから驚きです。
そして、実際に店員の彼がしゃべっていたのは正味 3 分。
いったいぜんたい、その店員はどんなミラクルセールスを行ったのでしょうか?
どうやら彼がとった方法は『革新的な方法』ではなかったようです。
ただ、たくさん売って客単価を上げるためには≪絶対に無視できないテクニック≫だと言えるでしょう。
お客さまの脳内にピントを合わせることができれば、面白いように売れるテクニックなのです。
では、どうやって彼が高い洗濯機を売ったか説明します。
彼 (販売員) は奥さんだけに話しかけました。
何を話しかけたかというと…
1.実は、生地を傷めてしまう洗濯機がとても多い。逆に、生地に優しいものは汚れが落ちない
2.特に全自動の場合、汚れが落ちない洗濯機が多い。理由は、洗剤をミスト状にする機能がないから
3.正直なところ操作性の悪い洗濯機が多く、洗濯する人の立場に立ったものが少ない
これを聞いてしまった奥さんは悩んだそうです。
そこで、奥さんからの質問 は「じゃあ、どの洗濯機がいいの?」 でした。
そこで店員が紹介したのは9万円台の高級洗濯機だったのです。
そして、店員の彼は続けて
「今この洗濯機をみなさんが買うんです。なので在庫はあと1台しかありません」
これでおしまい。
「あとは自分達で決めてくれ」
と言わんばかりに何も言わず黙って待っていたそうです。
ここまでで3分ということでした。
あとは夫婦であーだこーだ言いながら迷っている時間が7分。
合計で10分。
商談成立!
★3.ビッグセールスのポイント
私はこの店員さんってスゲーと思いました。
さすが天下の「エデ ィ●ン」です。
ガッチリと社員教育がされているんだ…
と思いきや、他にこんな凄いセールスをしている人はいなかったと目撃者は教えてくれました。
ということは、彼の個人の裁量ということで「スゲー!!」のです。
安売りチラシを見てきた安物買い狙いのお客さまに対し、彼は安くする類の話は一切しなかったとのこと。
「ご予算は?」
なんて野暮なことはもちろん聞くことなしです。
実に一方的だとも言えますよね。
ただ、一方的にも関わらずお客を納得させ、財布を開かせたわけです。
つまりポイントは3つ。
【ポイント1】
洗濯機の使い勝手だけを説明した
【ポイント2】
お客の知らないことを教えてあげた
【ポイント3】
セールスをせず黙って待った
これだけでお客さんを引き込むことができたのです。
予算オーバーという点はどうクリアするかと言うと
「長く毎日使うものなので、安い方を買われて後悔された方が多いです」
という一言で解消。
さらに、悩む客の背中を押すように
「今この洗濯機をみなさんが買うんです。なので在庫はあと1台しかありません」
と、「希少性」というスゴ技までサラッと出しています。
ただし、ちょっと気をつけて欲しいのは、これはお客が使い勝手の説明に納得したからデキル技ということです。
最初から「安いの買うと後悔するよ」なんて言ってしまうと「高いもの買わせたいんでしょ」となってしまうのは目に見えてます。
人の感情は微妙です。
何を、どの順番で言うかでお客さまの態度は決まるといっても過言ではありません。
あなたにはありませんか?
「安い価格につられて来た客に、高いものを売るのは難しい」
という先入観がです。
私は以前正直ありました。
しかし、たとえ安い商品を求めてきた人にでも、高い商品を売るのはこんなにも簡単なのです。
すべては「やり方」ひとつということです。
この話のポイント
□ 使い勝手を説明する
□ お客の知らないことを教える
□ お客の不満・不安に共感できる
□ 安くてもお客が納得しないものは勧めない
□ 希少性を伝えた
□ 何をどう言うか順番が大切
□ 要点を伝えたら黙る
さて、お話しはここまでです。
いかがでしたでしょうか?(^_-)-☆
#45 「刺さる」求人広告とは
こんにちはマキノです。
今週の最後は「求人広告」のお話しです。
スタッフを増員したいとお考えなら、ぜひ、参考にしてくださいね。
【目 次】
1.下町の工場で成功した求人広告
2.これが実際の「求人広告コピー」だ
3.広告から「狭告(きょうこく)」へ
★1.下町の工場で成功した求人広告
私が教師になって3~4年経ったころの話です。
ちょうどバブル景気で、ビリヤード台のあるプールバー付き豪華社員寮がメディアに登場してました。
・都心にあるオシャレなオフィス
・充実した福利厚生制度
・高給与にブランド力のある社名
など、上記のような条件が『人の集まる企業の条件』ということで話題になっていたわけです。
そんな中、下町のある工場が深刻な人手不足になりました。
その町工場の社長は「背に腹は代えられない」と高い広告費を出して求人広告を発注したのです。
依頼を受けた広告代理店は、その町工場の社長の気持ちに応えなければと、真剣に広告作りに力を注ぎました。
求人広告が掲載された当日…
心配する広告代理店の営業マンが状況を尋ねると、町工場の社長さんは
「早速問い合わせがきてるよ。それも真面目に就職先として考えてくれてるんだ!」
と、喜んでいるではありませんか。
その後、応募者全員と面接を行った結果…
2人の採用予定だったのに
「結果的にどうしても絞り切れずに3人採用してしまったよ」
と、苦笑いしていたとのことです。
★2.これが実際の「求人広告コピー」だ
担当したコピーライターが考え抜いた求人広告コピーは次のようなものでした。
「社屋はボロい。最寄りの駅から歩いて15分はかかる。給料は決して高いとは言えない。仕事もそれなりにきつい。でも、社内はいつも笑顔であふれている。そして、未経験でも立派な一人前に鍛えたいという熱い想いのオヤジ社長があなたを待っている」
写真には、ウソ偽りなくボロい社屋の前で、満面の笑みの従業員と、いかにも人情家のオヤジさん風社長が写っていました。
お世辞にも洗練されたビジュアルとは言えません。
しかし、数は多くなかったものの、、、
この広告に魅せられた志望動機の明確な人が応募してくれたのです。
待遇的な条件よりも、温かい人間関係の中で、自分を真剣に工員として一人前に育ててほしいという熱い想いを持った応募者たちだったとのことでした。
★3.広告から「狭告(きょうこく)」へ
実はこの求人広告の手法は、過去に代表的なものがありました。
誰にでも来てほしいわけではなく、本当に来てほしい人に届くための「相手を選ぶ」広告です。
19世紀にアイルランドで生まれた冒険家アーネスト・シャクルトンが、南極探検の同志を集めるために出した有名な応募広告があります。
それが、まさに「相手を選ぶ」というものでした。
<募集広告・和訳文>
求む男子。至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。絶えざる危険。生還の保証無し。しかし成功の暁には名誉と賞賛を得る。
アーネスト・シャクルトン
この応募広告には、甘い言葉などひとつもありません。
募集する内容なのに、逆に厳しいことばかりが並べられています。
しかし、この広告に共感して、厳しい条件であろうと自分の人生を賭けてみようというチャレンジ精神あふれる人が来たであろうことは想像できます。
広告とは、本来届いてほしい人に届けばいいものです。
もしかしたら、究極の求人広告は、「尋ね人」広告かもしれません。
【信也へ、父危篤すぐ帰れ。 母 裕子】
この広告は、裕子という母を持つ信也という人以外には、まったく意味のないものです。
なぜなら、他の人に届いても仕方ないからです。
その代わり、当事者には、驚くほど強いメッセージになります。
つまり、広告というものは、、、
訴求する対象を限定すれば限定するほど(狭くするほど)訴求力が強くなるものなのです。
※訴求⇒宣伝・広告などにより買い手の欲求にはたらきかけること。
いい求人広告というのは、多くの応募者が来る広告ではありません。
応募者は数少なくても、本当に入社してもらいたい人が確実に採用されればいいのです。
また、甘い話を並べた広告を見て応募してきた人は甘い話を期待した人たちです。
「楽な仕事で、しかも給与は高い」
という広告に対しては、当然ながら
「楽な仕事で給与が高いこと」
を希望した人が来ます。
前述した町工場は
「決して待遇はよくなくて仕事も厳しいけど温かい雰囲気で成長できる」
ということを伝えているので、楽な仕事を希望する人は絶対に受けに来ません。
むしろ来なくていいのです。
そう考えると、「広告」ではなく「狭告」こそが働き手の気持ちに強く訴求し「刺さる」メッセージを届ける手段なのかもしれません。
ぜひ、おためしあれ!(^_-)-☆