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サロンオーナー’sコラム #316
稼ぐ力より先に、「減らさない力」を持っていますか?
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先週までは、稼ぐ方法や投資について、石野さんにお話しいただきました。

当たり前ですが、収入源を増やすことは大切です。
個人事業主の世界では、「どう売上を作るか」「どう集客するか」が注目されやすいです。

もちろん、それは大切です。
売上がなければ事業は続きませんし、集客が止まれば不安にもなります。

ただ、実際に多くの経営者を見ていると、伸びる人と崩れる人の差は、売上そのものよりも、むしろ“守りの弱さ”に出ることがあると、私は個人的に思います。

たとえば、売上は立っているのに、急な支払いに弱い人がいます。税金を後回しにしていたり、なんとなく人にお金を払っていたり、まだ入っていない予定のお金を、もう手元にあるような感覚で使ってしまったり。

実際に、最近ご相談いただいた方もそうでした。事業自体は動いていて、これから入る予定のお金もある。でもその一方で、目の前には急な支出が重なり、過去の事業の清算や、関係者への支払い、税金の問題まで同時にのしかかってきていました。

しかも厄介なのは、数字が悪いというより、お金の意味や優先順位が整理されていないことでした。

お金には“名前”があります。

家賃なのか。
仕入れなのか。
税金なのか。
人件費なのか。
広告費なのか。
生活費なのか。
将来のために残すお金なのか。

この名前が曖昧なままお金が動くと、本人はきちんと使っているつもりでも、実際には「何にどれだけ使ったのか」「何を優先すべきだったのか」が分からなくなります。

お金は、金額だけを見ていても整理できません。大事なのは、そのお金が何のためのお金なのか、先に名前をつけておくことです。

払うべきお金。
後回しにしてはいけないお金。
今は使ってはいけないお金。
未来のために残しておくお金。

ここが整理されるだけで、お金の流れはかなり見えやすくなります。逆に、ここが曖昧なままだと、どれだけ頑張って売上を上げても、お金はなかなか残りません。

一方で、そこまで派手に稼いでいなくても、毎月の入出金を把握し、使っていいお金と残しておくべきお金を分け、急な支出にも慌てない人は、事業が安定しやすいです。

結局、事業を続ける力は「稼ぐ力」だけでは決まりません。

減らさない力。
崩れない力。
残す力。

これも、同じくらい大切です。

そのために、まず最初にやるべきことがあります。それは、毎月、銀行口座を見る日を決めることです。

個人事業主の相談をしていて本当によく感じるのは、うまくいっていない人ほど「頑張っている話」はできるのに、「数字の話」ができないということです。

「最近ちょっと厳しくて」
「お金が回っていなくて」
「赤字っぽいです」

こういう言葉はよく聞きます。けれど、実際に聞いてみると、今、口座にいくらあるのか。
今月いくら入って、いくら出たのか。
先月より増えたのか、減ったのか。
これが、はっきり言えない人が本当に多いのです。

経営が苦しくなる人は、行動力がない人ではありません。むしろ逆で、見ないまま動いてしまう人です。

不安だから新しいことを始める。
苦しいから何とかしようとして、さらに動く。
未来に入る予定のお金を前提に、先に使う。
これを繰り返して、もっと苦しくなっていきます。

だから最初に必要なのは、気合いや根性ではありません。月末で締めて、翌月の早い段階で必ず口座を見る。その日を決めることです。

そこで確認するのは、感覚ではなく現実です。

事業口座はいくら増減したか。
個人口座はいくら残ったか。
税金や固定費を除いて、実際に自由に使えるお金はいくらか。

これを毎月確認するだけで、お金との関係は大きく変わります。
大事なのは、「頑張って貯める」ことではありません。まずは減り方を知ることです。

減り方が見えると、使い方が変わります。使い方が変わると、残り方が変わります。

結果として、お金は無理に貯めるものではなく、残る流れを作るものに変わっていきます。

個人事業主は、社長であり、営業であり、現場でもあります。でも同時に、財務責任者でもあります。

だからこそ、自分の事業を守る視点を持つことは、甘えではなく責任です。
稼ぐ力は、事業を前に進める力です。でも、減らさない力は、事業を倒さない力です。

どれだけ売上を作っても、足元のお金が見えていなければ、経営は少しずつ不安定になります。逆に、毎月のお金の流れを見て、守るべきお金を守れている人は、焦らずに次の一手を打てます。

守りがあるから、攻められる。
余裕があるから、判断を間違えにくくなる。

だからまずは、月に一度でいいので、自分のお金の流れを直視する日を作ってみてください。
派手な一手よりも先に、崩れない土台を作ること。

経営を強くする最初の一歩は、売上を増やすことではなく、今あるお金の流れを見えるようにすることなのかもしれません。

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サロンオーナー’sコラム #317
売上があるのに苦しい人は、「未来のお金」を今使っている
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昨日は、稼ぐ力よりも先に「減らさない力」を持つことが大切だと書きました。
今日は、その続きです。

個人事業主の資金繰りが苦しくなる理由は、単純に売上が少ないからとは限りません。
他の要素としてよくあるのは、「これから入る予定のお金」を、もう入ったかのように考えてしまうことです。

「来月まとまった入金があるから大丈夫」
「この案件が決まれば回る」
「売上予定があるから、今月は何とかなる」

こういう感覚は、個人事業主なら誰でも持つと思います。
もちろん、未来の入金を見込むこと自体が悪いわけではありません。
経営をしていれば、来月の入金予定、数ヶ月先の案件、これから入る売上を見ながら動くことはよくあります。

ただ、問題はそれを前提に、今のお金を使ってしまうことです。
入金予定は、入金ではありません。

予定日はズレることがあります。
金額が変わることもあります。
条件が変わることもあります。
そもそも、予定していた話がなくなることもあります。

にもかかわらず、人は不安な時ほど「入る予定のお金」で安心したくなってしまいます。
そして、ここで判断が緩んでしまうのです。

「どうせ入るから」
「あとで戻るから」
「今だけだから」

そう考えて、先に使ってしまう…

でも、守りの経営で大事なのは、安心することではありません。
そんな錯覚をなくすことです。

今日のコラムにおいて、私はお金を3つに分けて考えることが大切だと思っています。

1つ目は、確定しているお金。
すでに口座にあるお金。
または、入金日も金額も確定していて、ほぼズレないお金です。

2つ目は、見込みのお金。
かなり高い確率で入るけれど、日付や条件に少しズレがあるかもしれないお金です。

3つ目は、期待のお金。
入れば大きい。
入れば助かる。
でも、まだ当てにしない方がいいお金です。

資金繰りが苦しくなる人は、この2つ目と3つ目を、1つ目の「確定しているお金」として扱いがちです。
一方で、お金が残る人は、ここを決して混ぜません。

確定しているお金だけで、今月を組み立てます。
見込みのお金は、入ってから使う。
期待のお金は、入るまでは計算に入れない。

当たり前のことを言っていますが、実はこの感覚を持っているだけで、経営はかなり崩れにくくなります。

これは、夢を見ないという話ではありません。
むしろ、未来の大きな入金や、大きな案件がある人ほど必要な考え方であると私は考えます。
なぜなら、大きなお金が入る前に崩れる人が多いからです。

「もうすぐ入る」
「もうすぐ回収できる」
「もうすぐ楽になる」

この“もうすぐ”を信じすぎると、今の現金が見えなくなります。

でも経営を支えているのは、未来の予定ではありません。
今、手元にある現金です。
だからこそ、まず見るべきは未来ではなく、今です。

今、口座にいくらあるのか。
今月、確定している支払いはいくらか。
今あるお金だけで、どこまで耐えられるのか。

ここを見ずに、未来のお金で安心してしまうと、少しのズレで一気に苦しくなります。
逆に、今あるお金で一度組み立てられる人は強いです。

「入る予定」ではなく、「今あるお金」で考える。
「入ったら何に使うか」を先に決める。
「入る前には使わない」。

この3つを徹底するだけで、資金ショートの確率は大きく下がります。

そしてもう一つ大事なのは、毎月きちんと確認することです。
月末で締めて、翌月の早い段階で銀行口座を見る。
事業用の口座と、生活用の口座を分ける。
今月、口座残高が増えたのか、減ったのかを見る。

これは本当に地味です。
でも、この地味な確認をしている人は強いです。

お金が残る人は、特別な才能があるわけではありません。
毎月、ちゃんと見ているだけです。
右肩上がりになっているかを確認しているだけです。
減っているなら、早めに気づいて見直しているだけです。

逆に、お金が苦しくなる人は、見ていないまま動きます。

不安だから動く。
苦しいから新しいことを始める。
お金が減っているのに、さらに支出を増やす。

そして気づいた時には、かなり苦しくなっている。
だから、見直す力が必要です。

今月、何にお金を使ったのか。
本当に必要な支出だったのか。
増やしてしまった固定費はないか。
未来のお金を前提に、先に使っていないか。

これを月に一度でも確認するだけで、お金の流れは大きく変わります。

お金は、気合いで残るものではありません。
管理して、見直して、使う順番を決めることで残っていくものです。

稼ぐ力も大切です。
でも、入る前のお金を使わない力も、とても大切です。

未来の入金は、希望です。
でも、今ある現金は、現実です。
経営を守るためには、希望と現実を混ぜないことが重要です。

お金が残る人は、未来のお金に酔わず、今ある現金で判断しています。
地味ですが、これが本当に強い経営です。

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サロンオーナー’sコラム #318
稼げないから苦しいのではない。
漏れているから苦しい
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1日目は「減らさない力」

2日目は「未来のお金を今使わない」という話を書きました。

今日は3日目です。

個人事業主の経営を見ていると、売上が低いから苦しい人よりも、実は「お金の漏れ方が大きい人」の方が多いように感じます。

もちろん、売上を増やすことは大切です。
でも、売上を増やすことばかり考えているのに、なぜかお金が残らない人がいます。

そういう人を見ていると、共通点があります。
なんとなく人にお金を払う。
必要かどうか分からない契約を続ける。
使っていないサービスの料金を払い続ける。
口座が増えすぎて管理できていない。
支払い先が増えすぎて把握できていない。

こうした小さな漏れが、少しずつ積み重なっているのです。
しかも厄介なのは、本人は頑張っていることです。

営業もしている。
勉強もしている。
新しい挑戦もしている。

だから本人は、
「もっと稼がなければ」
と思います。
でも実際には、稼ぐ前に止めるべき漏れがあることも少なくありません。

私は、お金の管理をよく「バケツ」に例えます。
売上を増やすというのは、水をたくさん入れることです。
でも、バケツの底に穴が空いていたらどうでしょう。

水を入れている間は気づきません。

売上がある。
入金もある。

だから安心します。
でも、水を入れる手が少し止まった瞬間に、水位はどんどん下がります。

そして気づくのです。
「思ったより残っていない」
と。

だから本当に先にやるべきことは、水を増やすことではありません。
バケツの穴を見つけることです。
そのために必要なのが、お金へのタグ付けです。

病気になった時も同じです。
なんとなく体調が悪い。
それだけでは治療できません。

風邪なのか。
胃腸炎なのか。
骨折なのか。

原因を特定するから、治療法が決まります。
風邪なのに整形外科へ行っても治りません。

お金も同じです。 

「お金がない」
「苦しい」

だけでは改善できません。
何に使っているのか。
どこから漏れているのか。
ここを見つける必要があります。

多くの人は売上には細かいのです。

請求書は細かく作る。
売上は1円単位で把握する。
入金予定も気にする。

でも支出になると、急に雑になります。

交通費。
通信費。
接待交際費。
サブスク。
駐車場代。
手数料。

全部まとめて、
「だいたいこのくらい」
になってしまいます。
これでは穴は見つかりません。

支出にタグを付けるというのは、単なる帳簿作業ではありません。
どこから漏れているのかを見つけるための診断です。

何の支出なのか。
なぜ払ったのか。
毎月いくらなのか。

これを見えるようにする。
すると初めて、
「この支出は本当に必要なのか」
が見えてきます。

バケツの穴が塞がると、水は自然と残り始めます。
そしてバケツがいっぱいになれば、次のバケツを用意できます。

新しい投資。
新しい事業。
新しい挑戦。

でも順番は逆ではありません。
穴だらけのバケツに、いくら水を入れても溜まらないのです。

私はこれまで多くの個人事業主を見てきましたが、経営が安定している人ほど、特別なことはしていません。

毎月口座を見る。
支払いを確認する。
不要なものを整理する。
お金の流れを把握する。

本当に地味なことばかりです。
でも、その地味なことを続けている人ほど、お金が残ります。

稼ぐ力は大切です。
でも、漏れを止める力も同じくらい大切です。
むしろ、漏れを止める方が先かもしれません。

もし今、お金に不安があるなら、一度だけ自分に問いかけてみてください。

本当に稼げていないのでしょうか。
それとも、気づかないところから漏れているだけなのでしょうか。

その答えが見つかるだけで、経営は大きく変わるかもしれません。

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サロンオーナー’sコラム #319
稼ぐ力があっても、お金が残らない人
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今日は、私の友人の話をしたいと思います。
彼は、とにかく稼ぐ力を持っています。

保険。
不動産。
M&A。

複数の事業や案件を手掛けており、おそらく年収ベースで見ても2,000万円近くあります。
普通に考えれば、お金に困るような人ではありません。

しかし、その彼から正式に財務コンサルティングの依頼を受けたのが、今年の2月でした。

正直、最初は不思議でした。
なぜそんなに稼いでいるのに、お金がないのか。

そこで私は、事業だけではなく、プライベートも含めた収支を徹底的に洗い出しました。
すると、そこには想像以上の問題がありました。

過去の税金の未納。
延滞税。
後先を考えずに使うクレジットカード。
過去に利用した消費者金融への返済。
リボ払い。
使っていないサブスク。
必要性の薄いコンサル契約。
売上に繋がらない高額な接待交際費
使ってもいないオフィスの家賃

まさに良くない支出のフルコースです。
本人すら把握していない支払いが、次から次へと出てきたのです。

彼はとにかく稼ぐことに集中していました。

売上を上げる。
案件を取る。
人脈を広げる。
新しいビジネスを始める。

その能力は本当に高かったと思います。

ただ一方で、支出にはほとんど目を向けていませんでした。
何に使っているのか。
毎月いくら出ていくのか。
いつ支払うのか。
どこまで必要なのか。

そういったことを確認する習慣がなかったのです。

そのため、売上が大きい月は問題ありません。
しかし、売上が少し落ちると、一気に苦しくなります。
なぜなら、見えない支出が大量に存在していたからです。

年間で見れば赤字ではありません。
むしろ利益は出ています。
それなのに、お金が残らない。

仕事量や売上規模を考えると、明らかにおかしい状態でした。
そして何より驚いたのは、本人がそれに気付いていなかったことです。

私は彼の支出をすべて文字に起こしました。

何の支払いなのか。
いつ支払うのか。
いくら必要なのか。
優先順位は高いのか。

それらを整理して一覧にしました。
すると初めて、
「こんなに払っていたのか」
「これは必要ないな」
「苦しかった原因はこれか」
ということが見えるようになったのです。

もちろん、一夜にして改善したわけではありません。
ですが、支出に優先順位を付け、不要な支払いを減らしていくことで、少しずつ収支は改善していきました。

そして面白いことに、お金の流れが整うのと同時に、彼のメンタルも安定していったのです。

私は、お金はある意味で“心を安定させる薬”だと思っています。
もちろん、お金だけで幸せになれるわけではありません。

ですが、お金の不安は確実に人の判断を狂わせます。
焦りを生みます。
視野を狭くします。
冷静さを奪います。

だからこそ、お金の流れを整えることは、経営だけでなく精神面にも大きな影響を与えるのです。

ここで少し厳しい話をします。
個人事業主であれば、

集客。
マーケティング。
営業。
資格取得。
技術向上。

こうした勉強をするのは当然です。
私自身も大切だと思っています。
ただ、多くの人はそこばかり勉強します。

売上を増やす方法。
稼ぐ方法。
集客する方法。

その一方で、
毎月いくら必要なのか。
何にお金を使っているのか。
本当に必要な支出なのか。
ここを把握していない人が少なくありません。

たとえば、
「月50万円の利益が欲しい」
そう考えたとします。

多くの人は、
「じゃあ売上を50万円増やそう」
と考えます。
もちろん、それも一つの方法です。

ただ、経営にはもう一つの考え方があります。

利益は、
【売上-支出】
で決まります。

売上100万円、支出50万円なら利益50万円です。

でも、
売上90万円、支出40万円でも利益50万円。

売上80万円、支出30万円でも利益50万円です。

極論、支出が0円なら売上50万円でもいいのです。

つまり、利益は売上だけで作られるものではありません。

だから最初に考えるべきは、
「自分はいくら必要なのか」
です。

生活費はいくらか。
事業経費はいくらか。
税金はいくらか。
将来のために残したいお金はいくらか。

まず必要なお金を明確にする。
そして、
売上を増やすのか。
支出を減らすのか。
新しい収入源を作るのか。
投資で補うのか。

その方法を考える。
この順番です。

多くの人は売上を追いかけることは得意です。
でも、必要なお金を計算することは苦手です。

だから私は思います。
経営とは、売上を増やすゲームではありません。

まず必要なお金を把握し、その差額をどう埋めるかを考えるゲームです。

何度も言いますが、稼ぐ力は大切です。
でも、その前に必要なのは、自分のお金の流れを正しく理解することです。

もし今、お金に不安があるなら、一度だけ紙に書き出してみてください。

何に使っているのか。
毎月いくら必要なのか。
何を減らせるのか。
何を残すべきなのか。

そこが見えるだけで、経営の景色は驚くほど変わります。

今日お話した内容は、決して難しい話ではありません。
利益は、
「売上-支出」
で決まる。

言葉にすると、とてもシンプルです。

おそらく多くの方が知っていることだと思います。
しかし、知っていることと、出来ていることは違います。

実際に数字を把握し、毎月確認し、支出に優先順位を付けている人は、思っているほど多くありません。

だからこそ差が生まれます。

経営を安定させる第一歩は、売上を追いかけることではなく、自分のお金の流れを理解することなのかもしれません。

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サロンオーナー’sコラム #320
お金は、残すためだけでなく、良く使うためにある
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今週は4日間にわたって、「守りの経営」について書いてきました。

減らさない力。
未来のお金を今使わないこと。
お金の漏れを止めること。
お金の流れを理解すること。

どれも、事業を長く続けるために大切な考え方です。

ただ、最終日の今日は少し違う話をしたいと思います。

それは、
「守ること自体が目的ではない」
ということです。

お金は、残すためだけにあるわけではありません。
本当に大切なことに使うためにあります。

私の実体験を少しお話しさせてください。

皆さんは、「お金を使ったな」「少し使いすぎたな」と思うことはありますか。
おそらく、誰しも一度はあると思います。

では逆に、
「このお金は本当に使ってよかった」
と心から思える経験はあるでしょうか。

私自身、実はかなりの節約家で、なるべく無駄遣いはしたくない人間です。

そんな私でも、今でも本当に使ってよかったと思えるお金があります。
それは、家族でディズニーランドへ行った時のお金です。

少しでも費用を抑えるために、新幹線は使わず、大阪から車で片道7〜8時間かけて向かいました。
ただ、宿だけは「ミラコスタ」というホテルに泊まりました。

1日目はディズニーランド。
2日目はディズニーシー。

アトラクションでも、いわゆる課金を利用して、並ぶ時間を短くしながら『美女と野獣』などを楽しみました。

総額では、それなりの金額を使ったと思います。

でも、私や家族はいまだにテレビやCMでディズニーの映像が流れると、
「あの時は楽しかったよね」
と話します。

決して安い金額ではありませんでした。
それでも今振り返ると、あのお金は決して無駄ではありませんでした。

私や妻、そして子供たちの記憶に深く残っているからです。

それ以来、私はなるべく年に一度は家族旅行へ行くようにしています。
毎月コツコツと節約をして、浮いたお金を少し奮発した宿や旅行に充てる。

そうやって、家族との思い出を増やしています。

子供が高校生、大学生になれば、一緒に旅行へ行く機会は今より減るかもしれません。
だからこそ、今という時間を大切にしたいのです。

そしてもう一つ、最近よく考えることがあります。

それは、
「平均寿命と、楽しめる寿命は違う」
ということです。

日本人は長生きになりました。
人生100年時代とも言われています。
でも実際に、自由に動き回れる期間は何歳まででしょうか。

富士山に登る。
海外旅行へ行く。
テーマパークを朝から晩まで歩き回る。
知らない土地をワクワクしながら巡る。

もちろん個人差はあります。
80歳、90歳でも元気な方はいらっしゃいます。

ですが、多くの人にとって、体力を使って思い切り楽しめる時間には限りがあります。

私はこれを、
「動ける寿命」
だと思っています。

そしてもう一つあります。

それは、
「食べられる寿命」
です。

焼肉食べ放題へ行く。
高級フレンチを楽しむ。
旅先で美味しいものを好きなだけ食べる。
お酒を飲みながら仲間と笑う。
これも永遠ではありません。

年齢を重ねれば食事量は減ります。
脂っこいものが苦手になる人もいます。
病気や体調によって制限が出ることもあります。

もちろん80歳で焼肉を楽しむ人もいるでしょう。
でも、多くの人は若い頃と同じようには食べられません。

つまり、平均寿命とは別に、

動ける寿命。
食べられる寿命。
楽しめる寿命。

というものがあるのだと思います。

そう考えると、
「いつか行こう」
「いつかやろう」
「いつか食べよう」
という言葉は、少し危険です。

お金が貯まったら。
仕事が落ち着いたら。
時間ができたら。

そう言っているうちに、お金はあるけど体力がない。
時間はあるけど食欲がない。
余裕はあるけど一緒に行く相手がいない。
そんなことも起こります。

だから私は、お金を守ることも大切だけれど、お金を使うタイミングも同じくらい大切だと思っています。

今週、私はずっと守りの話をしてきました。

未来のお金を使わない。
漏れを止める。
支出を整理する。
お金の流れを理解する。

これは全て大切です。
でも、それはお金を使わない人になるためではありません。
本当に大切なことに使える人になるためです。

私は、ただの浪費や無駄遣いは好きではありません。
でも、人生を豊かにする出費は必要だと思っています。

家族との旅行。
大切な人との食事。
自分を成長させる学び。
健康を守るための時間。
忘れられない経験。

こういうお金は、使った瞬間になくなるように見えて、実は後から何度も返ってきます。

私はこれを、
「思い出の利息」
だと思っています。

銀行の利息は、通帳の数字を少し増やしてくれます。
でも、思い出の利息は、人生の豊かさを増やしてくれます。

あの時行ってよかった。
あの時やってよかった。
あの時、一緒に過ごせてよかった。

そう思える経験は、時間が経つほど価値が大きくなっていきます。

だから守りの経営とは、ケチになることではありません。
何となく消えていくお金を減らし、本当に価値のあることに使えるお金を増やすことです。

お金があるから使うのではなく、
使いたいものがあるから守る。
私は、その順番が大切だと思っています。

通帳の残高も大切です。
でも、人生の残高も同じくらい大切です。

だから今日だけは、口座残高だけではなく、自分自身に問いかけてみてください。

あと何回、家族旅行へ行けるでしょうか。
あと何回、親と食事ができるでしょうか。
あと何回、子供が喜んで一緒に出かけてくれるでしょうか。

そして、
これから何にお金を使いたいでしょうか。
誰と時間を過ごしたいでしょうか。
どんな思い出を増やしたいでしょうか。

守ることの本当の意味は、その先にあるのだと思います。

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