━━━━━━━━━━━━━━━━━
#261 先に与える人だけが見える景色
━━━━━━━━━━━━━━━━━
明日から4月ということで、26歳で独立して、今年で35歳になる私が、経営者としての自分の想いや信念を皆さまにお伝えします。
独立して仕事をしていると、「選ばれること」の重みを痛感します。
選ばれなければ、どれだけ素晴らしい商品やサービスも届かず、どれだけ想いがあっても、形にはなりません。
想いだけでは、事業を継続することはとても難しいです。
だからこそ、私たちは「どうすれば選ばれるのか」と、いつも模索し続けています。
これを、集客と呼ぶ人もいます。
私の仕事では日々、多くの個人事業主のお客様と関わりながら、法人の社長と話す機会も少なくありません。
その中で、信頼される人、応援される人、紹介が絶えない人には、ある共通点があると気づきました。
それは
“先に与える人であること”
例えば、自社の顧客を信頼できる他者に紹介する人。
SNSで誰かの取り組みをさりげなくシェアする人。
相談すれば、自分の知識や経験を惜しまず返してくれる人。
彼らは見返りを求めて動いているわけではありません。
でも、不思議と人や仕事が集まって来ます。
私もそういう人に出会うたびに、「この人の力になりたい」と心から思います。
それは損得ではなく、「この人と長く付き合いたい」という気持ちです。信頼は取引を超えた関係を生み、それが継続や紹介という形で返ってくるのです。
一方で、「自分のことだけ」に矢印が向いている人もいます。
熱意はあっても、聞く姿勢がなかったり、何かを一方的に求めたり。
すると、相手との間に「温度差」が生まれ、関係は長続きしません。
人間関係とは、そういうものです。
ここで言う「与える」は、大きな投資ではありません。
ほんの少しの紹介、共感、応援、丁寧な返信、相手を立てる言葉。
そういった“小さな与える行動”が、見えないところで信頼を積み上げていくのです。
そしてこの信頼こそが、事業の売上や利益を安定的に伸ばしていく最も強力な土台になります。
単発の売上ではなく、継続契約。
広告だけではなく、紹介による新規顧客。
特別な値引きをせずに「お願いしたい」と選ばれる関係。
それはすべて、信頼によってしか生まれない成果です。
そしてその信頼は、先に与えた人のもとにしか宿りません。
今、もし
「もっと売上を伸ばしたい」
「もっと良いお客様と出会いたい」
と思っているなら、
次のアクションは“営業”ではなく、“信頼を積む”ことかもしれません。
信頼は、目に見えない資産です。
けれど、それは最も確実に売上や利益に直結する資産でもあると、私は考えます。
“お金は後から付いてくる”
の本当の正体はきっとこの考えだと私は思います。
事業以外の、人間関係にも当てはまるかと思います。
ぜひ、今この瞬間から試してみてください。
皆さまが今日誰かに手を差し伸べたその一歩が、
数ヶ月後の売上となって、巡り巡って戻ってくる。
それが、私たち事業主の強く、あたたかい経営のかたちです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
#262 経営者は”また今度”がない世界で、生きている
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「運が良かっただけです」
成功した経営者がそう語るのを、私は何度も見てきました。
でも、その人が誰よりも努力してきたことを、周りはちゃんと知っています。
じゃあ、運ってなんなんでしょう。
がむしゃらに頑張った結果に、ただ偶然が重なっただけ?
それとも、選ばれた人にしか手にできないもの?
私は最近、こう思うようになりました。
運がいい人とは、「その瞬間に備えていた人」であると。
声をかけてもらえる信頼。
任せてみようと思わせる日々の姿勢。
助けたくなる誠実さ。
それらが全部、“その一瞬”に向かって積み上がっていたんだと思います。
実はチャンスって、思っているより少ないです。
来たときに掴めなければ、次いつ来るかなんてわかりません。
すぐかもしれないし、5年後かもしれないし、もう二度と来ないかもしれません。
だからこそ、“来たときに動ける状態”でいられるかどうかが、すべてなんですよね。
私も、かつて1人の駆け出しの個人事業主さんの問い合わせに、いつも以上に丁寧に対応したことがありました。
その方はすぐにお客様になる方ではなく、お客様になったのは1年経ってからでした。
ただ、結果として、その方が紹介してくれたご縁から、更に売上も信用も広がっていったという経験があります。
あのとき、「今お客様にならないから、断ろう、適当に終わらせよう」そんな風に、忙しさを理由に雑に返していたら、きっと何も始まっていなかったと思います。
誰かの発信に反応すること
誰かを紹介すること
ひとつひとつの返信を丁寧に返すこと
それらはすべて、「見えないチャンス」をつかむ準備だと私は思うんです。
私は事業をやっていて、何度も何度も思い知らされました。
「また次がある」と思っているうちは、たぶん掴めないんです。
「これが最後かもしれない」と思って全力で挑んだときだけ、人生が動き出す気がします。
チャンスを「チャンスだ」と気づける感度。
チャンスを「今しかない」と受け止められる覚悟。
この2つを持てるかどうかで、運の正体が変わってくる気がします。
1本の電話、1本の問い合わせ、1人のお客様、1枚のチラシ、1冊の本、1本の動画、すべてにそう言えます。まさに、一期一会です。
だから私は、“運がいい人”を見て羨ましいとは思いません。
むしろ、「よく準備してたなぁ」と感心します。
だって、どれだけ努力しても、“その一瞬”に出遅れたら、すべてが変わってしまう世界だからです。
個人事業主も経営者も、そんなに簡単なものではありません。
とても難易度が高く、そして残酷な世界です。
チャンスは突然やって来ます。
でも、それを“運”に変えられるのは、今を丁寧に積み重ねている人だけです。
今日の小さな一歩が、やがて人生を変える種になる。
私は、そう信じています。
これから先、私はもっと学び、そして思い知らされるでしょう。
そして、いつか運の本物の正体に気付けた時に、私は更に大きな経営者になっていると思います。
それは、年齢も性別も関係なく皆さまも同じです。
運の本物の正体がすでに分かっている人がいましたら、ぜひ私に教えてください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
#263 “選ばれる人”は、選ばれる前から決まっている
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お客様に選ばれる
紹介される
応援される
「あなたにお願いしたい」と言われる
それは、いつだって“ある日突然”やってくるように見えます。
でも実は、その人が“選ばれるかどうか”は、もうずっと前から決まっているのかもしれません。
私たち個人事業主の世界では、商品やサービスの良し悪し以上に、「誰から買うか」が大きな影響を与えます。
だからこそ、選ばれる人には、ある共通点があります。
それは、“日常のふるまい”が丁寧なこと。
例えば
・どんなに忙しくても返信が丁寧な人
・相手の立場に立って言葉を選べる人
・SNSでも一貫して感じが良い人
・相談に対して真剣に耳を傾けてくれる人
そんな小さな積み重ねが、「あの人、信頼できるよね」という印象をつくっていきます。
逆に、「なぜか紹介が来ない」「思うように選ばれない」という人もいます。
その違いは、能力や知識ではなく、“日々の態度”に現れることが多いと、私は感じています。
実際に私自身、「この人と一緒に仕事したい」と思うのは、
派手な実績がある人よりも、
小さなことを丁寧にこなしている人です。
返信のスピード、言葉の温度感、相談への誠実さ、時間の守り方。
すべてが“選ばれる前”のサインになっている気がします。
相手はそこを、静かに、でも確実に見ているんですよね。
あるとき、紹介を通じてご相談いただいた方が、こう言ってくれました。
「〇〇さんから“村島さんは信頼できる人だ”と聞いていて、安心して連絡しました」
私は少し驚きました。直接やりとりをしていない間にも、日々のふるまいや対応が、どこかで誰かの印象に残っていたのです。
つまり、選ばれるかどうかは、“目の前にいない時間”の積み重ねで決まることもあるのだと感じました。
人は、いざというときに「なんとなくあの人がいい」と思って選びます。
その“なんとなく”をつくっているのは、いつもの姿勢です。
一回の営業トークよりも、半年間のふるまいの方が、よっぽど説得力を持ちます。
だから私は、売上を上げたいときほど、「選ばれる人になる」努力を意識します。
売り込むよりも、信頼される。
目立つよりも、誠実である。
“あの人なら安心”と思ってもらえるように、自分を整えます。
そこには、競合他社や価格はあまり関係ありません。
選ばれる人は、選ばれるその瞬間だけが勝負ではありません。
“選ばれる前”から、すでに始まっているのです。
━━━━━━━━━━━━━━
#264 信用を、お金に変える力
━━━━━━━━━━━━━━
「信頼は目に見えない資産です」
私はよく、そうお伝えしています。
でも、経営者である以上、そこから一歩踏み込んで考えなければなりません。
“信用は、どうやってお金に変わるのか?”
これは、売上を安定させる上で避けては通れないテーマです。
例えば、こんな経験はないでしょうか?
紹介で来てくれたお客様が、驚くほどスムーズに契約を決めてくれた。
価格を一切交渉されず、「あなたに頼みたい」と言ってもらえた。
その瞬間、私たちは“信頼の力”を肌で実感します。
でも、この「紹介」や「応援」は、ただのラッキーではありません。
ずっと前から積み重ねてきた信用の“回収の瞬間”なのです。
・返信の丁寧さ
・小さな義理を返す姿勢
・お客様との関係を大事にする気持ち
・商品やサービスを、誠実に提供し続けた日々
それらが蓄積されて、ある日「紹介したい人がいるんだけど」と声がかかるわけです。
そうして“お金に変わるタイミング”が突然やってくるのです。
一方で、どれだけ広告を打っても成果が出ないときがあります。
数字だけを追いすぎると、信用という土台がないまま営業をかけてしまうこともあります。
その結果、「なんか不安だな」と思われてしまうと、売上にはつながりません。
私自身、今こうしてお仕事をいただけているのも、すべては“過去の信用”のおかげです。
昔、ひとつの相談に全力で向き合ったこと。
ある取引先に真摯な対応をしたこと。
そういった出来事が、何年も経ってから形を変えて返ってきています。
個人総研は本当に多くの人に支えられて今があります。
信用は、目に見えません。
でも、間違いなく価値があります。
そして、ちゃんと積み重ねていれば、必ず“売上”として戻ってくます。
しかもそれは、値下げなしで選ばれる形で。
営業せずとも「お願いされる」形で。
そして、リピートや紹介として“継続する収益”になっていきます。
これが
“お金は後からついてくる”
というやつの正体です。
以前、あるお客様から「実は以前から、丁寧な対応をされていると聞いていました」と言われたことがあります。
自分では特別な営業をしていたつもりはなくても、日々のふるまいや姿勢が、誰かを通じて伝わっていたのだと思います。
このように、信用は静かに広がり、ある日突然、売上というかたちで返ってくることがあるのです。
信用は、時間をかけて築くものです。
だからこそ、焦らず、腐らず、少しずつ積み上げることが大切です。
急な結果は出ないけれど、長く選ばれる経営をしたいなら、ここにこそ投資するべきだと私は思います。
“信頼の残高”は、常にビジネスのど真ん中にある、個人事業主にとって最も必要な要素の1つです。
信頼を築ける人は、選ばれ続けます。
だから私は、今日も“丁寧にやる”を選びます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
#265 “この人と、ずっと付き合いたい”と思われる経営者とは
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
さて、今日で最後です。
今週は4月ということで、私の経営者としての気付きや信念を皆さまにお伝えしております。
売れる人より、選ばれる人。
選ばれる人より、“選ばれ続ける人”になりたい。
そう思うようになったのは、10年近く経営を続ける中で出会った、何人かの尊敬する経営者の背中を見たからです。
一度だけ売れるのは、案外簡単です。
商品力やタイミング、勢いがあれば、一時的な結果は出ます。
でも、「この人と、長く付き合いたい」と思われる人は違います。
そこには、数字では表せない“人としての魅力”が必ずあります。
それは、派手な実績や巧みなトークではなく、
誠実さ、安定感、品、余裕、そして信頼への向き合い方です。
例えば、どんな状況でも対応がブレない人。
損得よりも、“関係”を大切にする人。
言葉づかいが丁寧で、誰に対しても敬意を持てる人。
ちょっとしたすれ違いにも、きちんと向き合ってくれる人。
そういう人といると、不思議と安心感があります。
そして、お金が絡む取引だからこそ、「安心できる人」が最後に選ばれるのです。
「この人となら、長く付き合える」
そう思ってもらえたら、もう値下げもしなくていい。
過剰な営業もしなくていい。
選ばれ続けることが、最も効率的で、最も温かい経営だと、私は実感しています。
この“長く選ばれる力”は、実はすぐには身につきません。
でも、日々の積み重ねで必ず育てることができます。
・話す言葉に、少し気を配る
・返信の一通に、温度を込める
・相手の時間を奪わない配慮をする
・「また会いたい」と思ってもらえる振る舞いを心がける
こうしたことは、一見すると地味で、目立たない努力かもしれません。
でも私は、そういう“人としての美しさ”こそが、結果的に最強の営業力になると信じています。
相手のことを思いやり、信頼を守り、関係を続ける。
それができる人にこそ、自然と人が集まります。
うまくいかないときほど、「自分はどうありたいか」を問われます。
そんなときこそ、人との関係や信頼の積み重ねに立ち返るようにしています。
そういう姿勢がきっと、「この人となら、長く付き合える」と思ってもらえる礎になるのだと思います。
私もまだまだ道の途中です。
でも、“売れる人”より“選ばれる人”を、
“選ばれる人”より“選ばれ続ける人”を目指して、
今日もお客様と、そして仕事に向き合いたいと思います。
1週間ありがとうございました。
今年度もどうぞ、個人事業主総合研究所をよろしくお願いいたします。