#06 他店との差別化は底なし沼!?
こんばんはマキノです。
「差別化」という単語を聞いたことはありますか?
差別化とは、競合他社(他店)に対して自社(あなたの店)のポジション(価値)を確立するために「意味のある違い」を打ち出すことを言うのですが、あなたはどう思われるでしょうか?
もしもあなたが「他店との差別化がうちの店の課題だ」と思っているなら、私の意見はまったく違います。
以前は私も「他店との差別化は当然したほうがいい」と思っていたのですが、それは10年ほど前の話で、今現在は考えが変わりました。
「他店との差別化はあえてしなくていい」
というのが、いまの私の意見ですので、ぜひ、お聴きください。
とはいえ、サロンの独自性を出すためには「他店との差別化」が大事だというコンサルタントは今もって多いです。
むしろ「差別化賛成派」のほうが多数派でしょう。
差別化とは、ライバル店や、同じ商圏に出店している同業他店の様子を調べ、他店との違いをアピールしていくことを指しますよね。
「差別化」の理屈は私にも理解できるのですが、この発想は、一歩間違うと底なし沼にはまってしまう危険がありますので、ご注意いただきたいのです。
今週は、以下の5つの側面から「差別化」に対して考察していきたいと思います。
1.底なし沼にはまる理由
2.他店と圧倒的に違うもの
3.あなただけの価値
4.人間性が重視される時代
5.漫画ワンピースから学ぶ
1.底なし沼にはまる理由
底なし沼とは、もがけばもがくほど脱出できない危険な沼なのですが「他店との差別化」は、まさに「底なし沼」と言えます。
なぜなら、多くのサロンオーナーやコンサルタントが推奨する「差別化」は「相対的な違い」をアピールしようとする行為だからです。
「相対的な違い」を追求すると
「あっちの店は○○が売りだから、うちは△△を売りにしよう」
「こっちの店は顧客単価が高いから、うちはもっとリーズナブルにしよう」
というように「他店があっての自分の店」になるからです。
要は「常に相手を意識した戦い」になってしまうということです。
これはどういうことかと言いますと「お客さんの争奪合戦」という「底なし沼」に自ら飛び込むことを指します。
「他店がああするから、うちはこうする」では、あなたが自分の理念に沿って本来作ろうとしているサロンは一生かかってもつくれないと思いませんか?
もし、こんなことを続けていたら、精神的にも良くないし、経営的にも破たんします。
なぜなら「他店との差別化」が行きつく先は、価格競争の安売り合戦だからです。
では、どうしたら良いかを次回から考えていきましょう。
#07 他店と圧倒的に違うモノとは
こんにちはマキノです。
前回は「他店との差別化は底なし沼のように恐ろしいモノ」と紹介させていただきました。
「うちは技術力で差別化だ」
と声を上げる方もいらっしゃると思いますが、今どき「まずいラーメン屋」がないのと同じく「下手な技術を売っている店」もありません。
たとえば、美容師さんなら技術を練習する時間より、SNSに使っている時間の方が長い昨今、反論覚悟で言っちゃうと・・・技術が下手でもSNSでの魅せ方が上手ければ売れっ子になってしまえる時代です。(Youtubeをのぞけば無料でトップの技術を見て盗める時代ですからね)
これが現代の美容師のリアルなところ。
で、この傾向が「美容師の業界だけではない」のは言うまでもないところでもあります。
2.他店と圧倒的に違うもの
ここまでが「他店との差別化」をしない方がよい理由ですが、では、どうすれば「他店との差別化」をすることなく、あなたのサロンのよい特徴をお客さんに伝えられるのでしょうか?
さらに「他店と圧倒的に違うもの」ってどうやって見つけ、多くの見込み客にアピールしていけばよいのでしょうか?
実は「他店と圧倒的に違うもの」は既にあるのです。
灯台下暗しです。
他店と圧倒的に違うもの・・・
それは「あなた」です。
これはふざけて言っているのではなく、他店との圧倒的な違いは「あなた自身」。
これに尽きます。
なぜなら、あなたという人間はこの世に一人しかおらず、超激レアな存在でオリジナル商品だからです。
私はこれ以上の「差別化できる要素」は存在しないと思っていますし、さらに、スタッフさん一人ひとりも「他店との圧倒的な違い」になり得るでしょう。
要はスタッフでも「差別化」を強固なものにできる要素と考えています。
もっとわかりやすく言いますと・・・
今後は「あなた」という人間のファン、「魅力あるスタッフ」のファンを増やしていくことがお店としての最重要課題と言えるでしょう。
インスタグラムなどのSNSは老若男女を問わずもっと生活の中に浸透してきます。
そういう時代なのでこれは仕方ありません。
フォロワーも多いに越したことはありませんが、大切なのはファンの数ですし、一般の人も多いSNS上で他店と差をつけるのはもうあなたという「人」しかないのです。
ここで朗報です。
「人」の部分で「差」をつけることは全然難しいことじゃないということ。
何かキャラを作るとか、何かに特化するとかしなくても、元々同じ人なんていないんだから、自分そのものを発信すればいいから楽なんです。
だからこそ、ふだんの自分を磨いておくことこそが重要かもですね。
#08
こんにちはマキノです。
前回は
・「あなた」のファンを増やす
・「人」の部分で「差」をつける
・自分そのものを発信していく
このような内容をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
くどいようですが、これからは「 人 」です。
今までのように「仕事」に関してのことはもちろん発信しつつ、「自分のこと」をちゃんと発信したほうがより効果的です。
あなたがどういう人なのかを発信していってください。
まだコロナの影響はありますが、周りに比べて予約数が急激に減ったなら、余計に「自分のこと発信」は考えた方がいいです。
お客さんから選ばれる人になるために。
3.あなただけの価値
私がいつも意識しているマインドセットの中に
「人は『何を買いたいか』ではなく『誰から買いたいか』を重視している」
というものがあります。
このマインドセットは
「何を教わりたいかより、誰から教わりたいか」「どんなヘアスタイルになりたいかより、誰にヘアスタイルを作ってもらいたいか」を重視する。
という言葉にも置き換えられます。
ここの「誰」の部分に「あなた」が入れば、他店との相対的な違いという「不毛の価値」を追わなくて済むのです。
私が願うことは、あなたは「不毛の価値」など追いかけずに「あなたの価値を追求してもらいたい」ということです。
あわせて、スタッフさんたちの「価値」も追求してもらいたいと思っています。
追求する矛先が「他店との違い」から「あなただけの価値」に向くことで、より「お店の方向性」や、お客さんに伝えたい「お店の主張」に集中できます。
要するに「ほかの店がどうでも、うちの店はうちの店。お店の理念を掲げて、お客さまに主張していきましょう」ということです。
そして「人(人となり)」と「主張している理念」で選ばれるお店作りをしていけば、底なし沼対決を涼しい顔して避けることができるので、マイペースで進めるでしょう。
私の知り合いの美容室オーナーさんや、飲食店のオーナーさんで、いち早くこのことに気づいた方たちは、ネットだけでなくアナログなニュースレターやハガキでも、プライベート情報を定期的に発信されていて、ファンをがっちりつかんでおられます。
特に、今年のコロナ禍ではファンのお客様に本当に救われたとおっしゃっていました。
普段からメールやニュースレターでファン作りを意識されていたことが、お店の危機を救う一番の決め手となったわけです。
「よそはよそ、自分は自分」
このような一見極端にも感じられる「考え方」をぜひお持ちください。
#09 あなたの価値の魅せ方~漫画ワンピースに学ぶ
こんにちはマキノです。
突然ですが、あなたは人気があるほうですか?
私は悲しいことに大して人気はありません。
もしもあなたが人と接する商売をしているなら、集客面のことも含め、人気は無いよりあったほうが有難いですよね。
さて、昔から人気がある人は「人がら」がとにかく際立っています。
人がファンになる理由は昔から相手の「人がら」だったのですが、これからはその「人がら」がお客さんの「最初に選ばれる理由」にもなってきます。
「最初に選ばれる理由」として
・ジャニーズの嵐好き
・歴史オタク
・筋トレの鬼
このような個人事業主のSNS発信で控えていたプライベート情報も、これからは「最初に選ぶ理由」として大いに強味になると思います。
このような発信をしていくとファンしかフォローしないので、フォロワーはそんなに増えません。
でもアクション(予約や来店とか)に繋がるので、結果オーライです。
あなたも
・共通の趣味がある人
・同じ勉強をしている人
・同じコミュニティに属している人
とかに興味ありませんか?
共通の趣味を持つ飲食店のオーナーシェフがいたら、私なら食べに行きたいと思ってしまいます。(味が美味しいかなんて、行かないとわからないのにも関わらずです)
4.人間性が重視される時代
新型コロナの影響で、人は今まで以上に「人」を観るようになりました。
なぜなら「不安」と「恐怖」と「危機感」を同時に突き付けられ、人のいい加減さや有難さに国民の多くが気づいてしまったからです。
だからこそお客さんは
・どんな生き方をしてきて
・どんな考え方で
・どんな性格で
・どんなものが好きで
・どんなものが苦手で
・どんな欠点があって
・どんな暮らしをしているか
など、こんなことを知ろうと検索してきます。
なぜなら、そんな世界でただ一人のあなたから、サービスを受けたいと思っているからに他なりません。
そして、お客さんは「あなたの輝かしい経歴」以上に「あなたの欠点」や「過去のストーリー」を知りたがっていることを付け加えておきますね。
5.漫画ワンピースから学ぶ
発行部数ダントツ日本一の漫画、ワンピースの人気の秘密は「登場人物の過去のストーリー」にあるといっても過言ではありません。
そのストーリーは千差万別で(当たり前ですよね)、決してカッコいいものではありません。
登場人物は、ただカッコいいだけではなく、ただ可愛いだけでなく、ただメッチャ強いだけでなく、人間臭いストーリーを持っています。
・情けないような
・恥ずかしいような
・言いたくないような
・隠しておきたいような
そんな「欠点だらけ」のストーリーがしっかりと描かれていますよね。(ワンピースを知らない人はごめんなさい)
一人ひとりのオリジナリティが溢れる欠点だらけのストーリーは、嫌でも人を惹きつけますし「あなたの価値」を際立たせます。
このような理由から「プロフィール」作りの重要性がわかってきますよね。
だからこそ(あなたの栄光の歴史ではない)人間臭く、泥臭いあなたの歴史をプロフィールに載せることを強くおススメいたします。
あなたのプロフィールや、お店の理念の主張ができる媒体は、いまの時代無料でいくらでもありますよね。
・ブログ
・ホームページ
・SNS
・名刺
・チラシ
これらをフル活用して「他店との差別化」をしなくていい「あなたという価値」を高めていってください。
#10 これからの時代に生き残るためには
こんにちはマキノです。
関東方面や東日本では一段と秋が深まったような気候になってきましたね。
体調が命の個人事業主ですから、お互いに健康には気をつけましょう。
さて、今週私がクドクドとお伝えしたかったのは
・コロナ以降の個人事業は「人」がより重要な集客エンジンになること
・自分のプライベートを発信していくこと
・他店などを意識せずに堂々と「自己主張」をしていくこと
このようなことでした。
そして具体的には・・・
1.他店との差別化は不毛な戦いであると知る
2.他店との圧倒的な違いは「あなた自身」
3.「人となり」と「主張している理念」で選ばれるお店作り
4.「(宝物である)欠点だらけの自分」のプロフィール作り
これらを「今まで以上に意識しましょう」というご提案です。
さて「差別化は必要ない」という私の主張はご理解いただけたでしょうか?
よく考えてみれば、他店と違うことばかりしていたら、とてもお店の理念を主張することはできませんよね。
そして時代は「競争」から「共存」へと移り変わっています。
「共存」とは、読んで字のごとく「共に存在していくこと」です。
たとえば、今年は全国的に新型コロナの影響で個人のお店が「平等に」大打撃をうけましたが、現在も順調に営業している「小さな飲食店」があります。
そのようなお店は「○○横丁」のように小さな飲食店が「共存」しているところによく見られます。
また、ふだんから地域と「横のつながり」を大切にしてきた小さなお店も元気に生き残っています。
だからこそ「共存」とは、これからの時代のキーワードだと私は思っています。
先ほども述べましたが、新型コロナの影響で、それまでの「当たり前」が、とても有難いことだったと身に沁みました。
そして何より「人は協力し合って共存している」という事実をイヤってほどわからされましたよね。
このことは、相手と競う戦うといった「競争」ではなく、お互いに「自分を主張しあいながら共存していく」という時代の流れをより濃く作ったといえます。
そして、まずしてほしいことは
・シンプルにお客さんとの関係を見直してみる
・シンプルに地域社会との関係を見直してみる
・「まずは自分から与える」を実践してみる
この3つだけです。
特に3つ目の「まずは自分から与える」を考えてほしいと願っています。
あなたがお客さんに与えられること(もの)
あなたが地域社会に与えられること(もの)
これらを真剣に考え始めると、あなたの中に「光る何か」が生まれ始めます。
大きな時代の変わり目に「今までの考え方」「今までの常識」「今までの価値観」「今までの発想」これらを一度リセットしてみるのも柔軟な対応だと私は強くおススメいたします。
今週は以上です、お疲れさまでした。(^_-)-☆